母が着た花嫁衣装を私も着てお嫁に行くのが夢です

昔読んだ海外の少女向け小説に、主人公が『亡き母のウエディングベールをつけて結婚式をする』というシーンがあった。もう記憶があいまいだが、おそらく開拓時代のアメリカの話ではなかっただろうか。

主人公は幼いころに母を亡くし、医者の父とともに、多くの弟妹の長女として、天真爛漫ながら苦労の多い日々を送る。その主人公に訪れた晴れの日に、彼女は母のつけたウエディングベールをまとうのだ。

本には美しく装った彼女の、誇らしげな挿絵が描いてあった。



何て素敵なんだろう、と幼心をときめかせたことを、今でも覚えている。

大人になった現在ではあいにく花嫁そのものへの憧れは疾うに無くしてしまったが、母や祖母に代々伝えられてきたものを大切にする気持ちは、愛しいものだと思う。まっさらの新品を仕立てて貰うのはもちろん嬉しいが、母の娘時代の振袖や祖母のものだった真珠のネックレスなど、長く大切にされてきたものを渡されるのは、どこか認められたような、誇らしい気持ちになるものだ。

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今、祖母から母へ、母から娘へと花嫁衣装が受け継がれることは少ないだろう。高価な花嫁衣装は、もはや『仕立てる』ものではなく『借りる』ことが定番になっている。仮に自分のものを保存していたとしても、

『本人の好きにさせてやりたいし、お古だから』

と渡すことをためらう母親も多いだろう。

市川市|婚姻届

結婚式は女性の生涯における晴れ舞台だ。そのときにどんな装いをするかは、もちろん本人の自由になってしかるべき。しかし機会に恵まれ、当人同士の意向が一致すれば、母の花嫁衣装を再び娘が着ることは、なんとも素敵なことだと思う。

その衣装にはきっと、幸せに、との願いが込められているはずだ。